休職期間中に年次有給休暇取得することはできるのでしょうか休職と休暇定義を考えればすぐに分かります社労士が簡潔に解説します。

こんにちは。社会保険労務士の志賀です。今回は「休職中に有給休暇を取得できるか?」についてお話をします。

今回は相談事例ですね。休職期間中に年次有給休暇を取得できますか?というご相談です。早速結論を見ていきましょう。

結論⇒付与はされるが取得はできない

休職中であっても付与日がきたら有給休暇は付与はされます。もちろん出勤率が8割以上あればの話ですけれども。ところが休職中にはその有給休暇を使うことはできないんですね。なぜなのか。
これは休職とは何なのか、休暇とは何なのかを見ていけば分かるんですね。

休暇・・・労働義務がある日に労働義務を免除された日

まず、休暇とはいったい何なのかということですけれども、これは労働義務がある日に労働義務を免除された日です。多くは労働者からの申請によって、今日休みたいんですけど休暇取りたいんですけどと、会社が認めたならば労働義務を免除する、と。これは労働義務がある日に休暇を使うということですね。労働義務がある日っていうのはいわゆる所定労働日ですね。本来だったら会社に行って仕事しなきゃいけない日に労働者の申請によって今日は休暇を取得したいですと言って、会社が分かりましたということで労働義務が免除された、これが休暇なんですね。

休職・・・私傷病などの理由により一定期間の労働義務を免除する制度

それに対して休職、これは何なのかということですけれども、これは私傷病などの理由により一定期間の労働義務を免除する制度ということになっています。これは法律で定められている制度ではないので会社が独自に設けている制度ですから、会社によって就業規則でどういう風に定めているか違いはありますけれども基本的にはこういう制度ですね。私傷病というのは業務上の怪我病気ではない、プライベートの怪我病気で働けなくなっちゃったということで、多くは会社の判断である一定期間、6ヵ月とか1年とかこれも就業規則で在籍年数によって段階的に期間が異なっているケースが多いかと思いますけれども、ある程度まとまった期間労働義務を免除してあげるという制度が休職なんですね。

ということは、休職期間中はすでに労働義務が免除されていますから、もう労働義務がある日ではないんですね。ですから元々すでに労働義務が免除されている休職期間中に重ねて労働義務を免除してもらうことはできないから、ということになります。
というわけで休職期間中には年次有給休暇は付与はされるんだけれども使うことはできない、ということです。

今回は「休職中に有給休暇は取得できるか」についてお話をしました。少しでも参考になりましたら幸いです。

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