こんにちは。社会保険労務士の志賀です。
まず、パートタイマーの方の週の所定労働日数や1日の所定労働時間が変更になったときの年次有給休暇の取り扱いには、3つの基本ルールがあります。

>>正社員からパートに変更になった場合の有給休暇についてはこちら

【有給休暇付与】3つの基本ルール

  • 有休を付与するのは基準日だけ(途中での増減不要)
  • 付与日数は基準日(付与日)の労働条件で判断
  • 取得した日の労働条件により賃金を支払う

この3つの基本ルールを元に考えると、パートの方の有給休暇の取り扱いは下記図の通りになります。
詳しく説明していきますね。

※時給は1000 円
※給休暇を取得したときに支払われる賃金は「通常の賃金」

有給は基準日に付与される

あるパートさんが令和5年4月1日に入社されたとします。その時点での労働条件の内容は、所定労働日数は週3日 / 1日の所定労働時間は5時間で働き始めたとします。

そして令和6年4月1日に契約更新をして、この時には週4日 / 1日6時間に契約内容が変更されたとします。

この場合の有給の付与ですが、令和5年4月1日に入社しましたので、そこから6ヵ月後の令和5年10月1日に5日間付与されることになります。(この間の出勤率が8割以上あったことが前提)

つまり10月1日が基準日になり、毎年10月1日に有給休暇が付与されるということになります。

付与日数は、基準日の労働条件によって決まる

週の所定労働日数が4日以下かつ週の所定労働時間が30時間未満の場合には「比例付与」といって正社員より少ない日数の年次有給休暇が付与されることになっています。

週4日の方は入社半年後に7日間付与され、そこから1年後、入社から考えると1年半後には8日間の年次有給休暇が付与されます。
週3日の方は入社半年後に5日間、入社1年半後には6日間付与されます。

このパートさんは、まず週3日 / 1日5時間(週の所定労働時間15時間)ですから比例付与の対象になりますので、入社半年後に5日間付与されることになります。
そしてそこから1年後の令和6年10月1日(入社から1年6ヶ月後)に、また年次有給休暇が付与されるのですが、この時点では、週4日 / 1日6時間(週の所定労働時間24時間)に契約変更されてるので、ルール②「付与日数は基準日の労働条件で判断する」に照らして、8日間が付与されるというわけです。

有給付与日は基準日と決まっているので、基準日以外の日に付与日数を増減することはできない

こういう風に考える方もいらっしゃいます。
まず週3日という条件で令和5年10月1日に5日間付与されたけれども、令和6年4月1日に週4日に契約変更したのだからこの5日では足りなくなるのではないか。本来は7日間なので足らない2日間を令和6年4月1日に付与しなければいけないのではないか、と。

そうではありません。

ルール①「有休を付与するのは基準日だけ」となっておりますので、契約変更された時点でプラス2日間とかを追加で付与するといったことは必要ありません。

このパートさんが令和5年10月1日~令和6年3月31日の間で1日有休を取得したとします。取得した日には通常の賃金を支払うことになっていますが、この時点での労働条件は1日5時間ですから時給1,000円だとすれば5,000円を支払うということでいいわけです。

有給取得日の賃金は、その取得日時点での1日の所定労働時間

そしてさらに、契約変更後の時点でまた1日有休を取得したときにいくら払うかですが、この時点ではもうすでに1日6時間に契約変更されていますので、ルール③「取得した日の労働条件により賃金を支払う」に照らして考えますと、6,000円を支払うことになります。

もし令和6年10月1日に契約変更された、つまり有休が付与される基準日その日に契約が変更されたとしても、10月1日時点での労働条件は週4日 / 1日6時間になっていますので、やはり8日の年次有給休暇が付与されることになります。

>>パートさんが有給を取得した時に支払う賃金の決め方

まとめ

正社員であれば年次有給休暇の管理は比較的分かり易いのですが、パートタイマーの場合には週の所定労働日数や1日の所定労働時間が人によって異なることが多いですし、契約更新時に労働条件が変更されることも多いかと思います。

トラブルにならないように適切な管理をよろしくお願いいたします。

>>パートさんの社会保険、適用拡大の基準はこちら

今回は「パートタイマーの労働日数や労働時間が変更になったら有給休暇はどうなるのか」についてお話しました。これからの労務管理に少しでも参考になれば幸いです。

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執筆者
志賀 直樹

社会保険労務士法人ジオフィス代表

300社以上の労務管理をサポートしてきた経験を活かし、頻繁な法改正への対応や労働トラブル解決を中心に、中小企業に寄り添ったサービスを行う。

保有資格
・特定社会保険労務士
・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリア・コンサルティング技能士
・産業カウンセラー
・生産性賃金管理士
・日商簿記1級
・ラジオ体操指導員

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