こんにちは。社会保険労務士の志賀です。今回は「育児休業中の従業員にも年次有給休暇は付与するのか?」についてお話をします。
今回のお話は実際の相談事例となります。まず年次有給休暇はどのような場合に付与しなければならないのかということですが、これは付与日の直前1年間(初回は6か月)の出勤率がある場合にはこれは年次有給休暇を付与することになります。この条件さえ満たせば自動的に所定の日数の年次有給休暇が付与されることになります。従いまして育児休業中であったとしても、この条件を満たしているのであれば当然に付与しなければならないというのが相談に対しての回答となります。出勤率の計算方法は下記の通りです。

この分母の全労働日とは所定労働日数と考えていただいて良いです。ただし会社都合の休業日などは除きます。それから分子の出勤日ですが、これは実際に出勤して日数をカウントしていきます。もし遅刻や早退をしたとしても出勤しているのであれば1日とカウントすることになります。しかし育児休業中は実際に出勤していないのだから計算すると8割満たさないこともあるのではないかと考える方もいるかもしれません。しかし下記に記載する4つの日数というのは出勤したものとして扱うこととなっています。
①業務上の傷病により休業した日
②産前産後休業した日
③育児休業・介護休業した日
④年次有給休暇を取得した日
よって育児休業中の日数というのは出勤日に含めて考えることになります。多くの場合この出勤率は8割以上になることが多いのではないかと思います。ただし育児休業期間中に付与日が来て年次有給休暇の日数が増えるわけですが、育児休業期間中には年次有給休暇を取得することはできません。育児休業期間中は既に労働義務を免除されているため、労働義務がある日にしか年次有給休暇を取得することはできないということになります。
そうすると育児休業が終わって職場復帰した時にはかなりの日数の有給休暇を持っているということが多いかと思います。実際に育児休業が終わって職場復帰したと言っても、お子さんはまだ小さいわけですから、色々な理由で有休を取得したいということも多いかと思いますのでちょうどいいかもしれません。
今回は「育児休業中の従業員にも年次有給休暇は付与するのか?」についてお話をしました。少しでも参考になれば幸いです。
執筆者

志賀 直樹
社会保険労務士法人ジオフィス代表
300社以上の労務管理をサポートしてきた経験を活かし、頻繁な法改正への対応や労働トラブル解決を中心に、中小企業に寄り添ったサービスを行う。
保有資格
・特定社会保険労務士
・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリア・コンサルティング技能士
・産業カウンセラー
・生産性賃金管理士
・日商簿記1級
・ラジオ体操指導員


