こんにちは。社会保険労務士の志賀です。
今回は「混同注意!育児関連の2つの新しい給付金」についてお話をします。
2025年、今年の4月から育児関連の新しい給付金がスタートしました。これは雇用保険法が改正されて始まった制度です。雇用保険上の制度となります。従ってこの給付金を受けられるのは雇用保険に加入している従業員の方が貰えるお金となります。会社が貰えるわけじゃない、雇用保険に入っている方が受け取れる給付金です。
新しい給付金とは「出生後休業支援給付金」と「育児時短就業給付金」でちょうど同じタイミングでスタートしているということもあり名前がややこしいです。●●給付金とちょっと名前がややこしいので、これを混同している方がいらっしゃるようですね。それぞれの給付金については実は半年前ぐらいにそれぞれ別動画をアップしていますので、詳しいことはそちらの方を見ていただければと思います。今回の動画ではそれぞれの給付金の概要をざっくり言うとどういうことなのかということをご紹介して、混同しないでくださいよ、別の給付金ですよということをお伝えしたいという目的で今回の動画をお送りします。ですから制度の詳細は先ほど言った別動画を見て頂いても良いですし、厚生労働省の資料のリンクも概要欄に貼っておきますので、より詳細なことを知りたい方はそちらの方を見て頂ければ良いかと思いますが、ここでは概要、ざっくり言うとどういうことなのかこれをもう1回ご紹介していきます。
出生後休業支援給付金
子の出生後、一定期間内に両親ともに育児休業を取得した場合に育児給付金に上乗せして、休業前の賃金の13%が支給される。
子が生まれた後、比較的その直後の期間に両親ともに、お父さんもお母さんもともに育児休業を取った場合です。日数の制限などあるのですが、ここあえてちょっとそれは書いてないのですが、育児休業給付金に上乗せして休業前の賃金の13%が支給される。先ほど言ったように、ここではざっくりとした話しかしませんから、結構詳しい方は”おいおい、両親ともにと言って、両親ともに取らなくていい場合あるよね。”とか、気づかれる方もいるかもしれないし、色んな例外的なことはあるんですね。どちらも上限額があったりしますけども、あえてこれは今回触れませんので、そこはご了承ください。あえて大枠の話しかしていきません。そして両親ともに育児休業取ったということであれば育児休業給付金っていうのは貰えるのです。その育児休業も詳しい方は、出生時育児休業だって入るぞとか、ご存じの方いらっしゃるかもしれないですが、ちょっとそれは置いておいて、それも含めて育児休業だと考えてください。
育児休業を取ると、育児休業給付金っていうのを貰えるわけですね。そこに対しての上乗せ、+αが貰えるということなのです。休業前の賃金の13%が支給されると。これもずっと貰えるわけじゃなくて最大28日間なのですが、あえて今回書きません。ざっくり言うとこういう制度でどういうことかと言うと、育児休業給付金っていうのは貰い始めて最初の180日間っていうのはこの休業前賃金の67%が貰えます。そこに13%が上乗せで支給されるっていうわけですから67+13で80%。育児休業に入る前の賃金の80%が貰えるよと。まあ日数の制限はありますけども。そうするとよくその80%が貰えることで手取りはほぼ10割貰えると言い方されます。これは何かって言うと、育児休業中は給付金が貰えるわけなのですが、社会保険料っていうのはかからないものです。社会保険料は免除される。それからこの育児休業給付金っていうのは非課税であるということで、そういったことを考えると、この賃金の80%が貰えるのであれば手取りとしてはほぼ10割が貰えるということになるだろうとよく言われます。これがほぼ手取り10割という話なのですね。これが出生後休業支援給付金という給付金です。
もう1つが・・
育児時短就業給付金
2歳未満の子を育てるために、短時間勤務をして賃金が低下した場合に下がった賃金の10%が支給される。
2歳未満の子を育てるために例えば正社員だった方が要するに1日例えば8時間勤務の方が1日6時間の勤務、短時間勤務をするようになったと。そうすると通常はお給料って下がることになります。その下がった賃金の10%が貰える制度がこの育児時短就業給付金です。例えば8時間働いて32万円のお給料だった方が短時間勤務になった。そうすると給料は24万円に下がったら、ここで言っている下がった賃金っていうのはこの24万円のことですから、その10%が貰える。つまり24万円の10%は2万4000円、この2万4000円が貰えるわけですね。このケースだとこれが育児時短就業給付金だというわけです。これもちょっと原則的なことしか書いていないので、先ほどと同様上限額がありますし、この10%っていうのは下がり幅が少ない場合にはもちろん10%は貰えないわけです。下がってなければもちろん全く貰えないし、下がり幅がちょっとだけ5%しか下がっていないという場合にこの10%貰っちゃうと元の賃金より増えてしまいますから、それはダメだと。この10%貰えるっていうのは9割以下に下がった場合ですね。90%以下に下がった場合は10%貰えると。下がり幅がそれより少ない場合っていうのは調整されると。当然ながら元々の休業前の賃金を上回るようなことにはならないということですね。この支給されるって言うのは、2歳になるまでですね。貰える期間っていうのは意外に少ないかも、短いかもしれないですね。こっちの給付金が貰える期間というのは通常例えば、母親の場合は子どもが1歳になるまでは育児休業を取ることが多いですよね。そうすると先ほど言ったように育児休業中には育児休業給付金が貰えますよね。その間は当然この給付金は貰えないわけです。時短勤務もしてないですからね。育児休業取っているわけですから。例えば子どもが1歳になって職場復帰してそこで短時間勤務をスタートしたっていう場合に2歳まで貰えると、この場合で1年間ですよね。中には例えば子どもが保育園に入れなかった等の理由で例えば1歳半とか何なら2歳まで育児休業自体を延長するケースってありますよね。その場合はずっと育児休業が続いて育児休業給付金も出ているわけですからこれは貰えないというわけです。
法律上の育児の時短勤務って3歳までです。3歳未満の子どもがいると、本人が希望した場合にはこの時短勤務を会社はさせなきゃいけないルールがあるのですが、これは3歳までじゃなくて貰えるのは2歳未満なのです。そこはちょっとずれているので注意していただきたいのですが、これはもちろん男性も貰えるわけですから、子どもが生まれ母親は産休育休を取っていくけれども、お父さんの方は出生時育児休業も通常の育児休業も一切取らなかった、子どもが生まれてからいきなり短時間勤務に入った場合には2歳までなので2年間貰える可能性ありますけれども、そういうケースは稀だと思うので、貰える期間っていうのは通常そんなに長くないのかなっていう風に思われますけども、こういう制度も始まったということで、この2つの給付金、出生後休業支援給付金、それから育児時短就業給付金どちらも2025年4月スタートしました。これをこんがらかっている人が結構いるみたいなので今回の動画を作ったわけなのですが是非これを混同しないようにしていただければと思います。
というわけで今回は「混同注意!育児関連の2つの新しい給付金」についてお話をしました。少しでも参考になれば幸いです。
執筆者

志賀 直樹
社会保険労務士法人ジオフィス代表
300社以上の労務管理をサポートしてきた経験を活かし、頻繁な法改正への対応や労働トラブル解決を中心に、中小企業に寄り添ったサービスを行う。
保有資格
・特定社会保険労務士
・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリア・コンサルティング技能士
・産業カウンセラー
・生産性賃金管理士
・日商簿記1級
・ラジオ体操指導員