完全週休2日制週休2日制よく聞く言葉だと思います。この2つ同じ意味なのでしょうかそれとも何か違うのでしょうか社労士が分かりやすく解説します。

こんにちは。社会保険労務士の志賀です。

今回は、「完全週休2日制」と「週休2日制」はどう違うのかについてお話をします。

完全週休2日制と週休2日制、よく聞く言葉だと思います。

この2つ、同じことを言っているのか、それとも違うことを言っているのか、今回はこれについて確認していきましょう。

まずこちらのカレンダーをご覧ください2024年7月のカレンダーです。土曜日が青、日曜日が赤で書いてあって、この7月では7月15日が海の日で祝日という事になっています。

会社によって休日は何曜日という定めがあるかと思うんですけれど、まず完全週休2日制というのは、毎週必ず2日の休みがある制度のことを言います。ですから、例えば土日祝日がお休みという会社があったとします。そうしますと、この土曜日と日曜日、それから祝日の海の日、これらが全てお休みになりますよ、という事なんです。

6月30日も日曜日ですから、もちろんここもお休みという事です。

週というのは原則として土曜日で始まって日曜日で終わります。そうすると、日曜と土曜が全部お休みでなおかつこの海の日がお休みですから、どの週を取ってみても2日以上のお休みがありますよね。

これが完全週休2日制です。

こういうのはどうでしょう?

毎週日曜と土曜はお休みだけれども祝日はお休みじゃない。

これでも、どの週を取ってみても週に2日以上のお休みが確保されていますから、完全週休2日制ということになります。

それと、休日は何も土日に限定されるわけではなく、それが平日でも、例えば火曜日と水曜日というケースもあるかもしれませんし、日曜日と火曜日が休日だと、このような会社もあるかもしれません。

このような場合でも、どの週を取ってみても週に2日以上のお休みが確保されていますから、完全週休2日制ということになります。

また、シフト制といって、出勤日と休日が固定されていなくて、例えばある月の勤務シフト表は前月までに作成されて提示され、それによって出勤日が変わる場合、休日の位置が変動しますよね。その場合であっても、週に2日以上のお休みが確保されていれば、それも完全週休2日制というわけなんです。

それに対して、週休2日制というのがどういう制度なのかといいますと、月に1回以上、休日が2日以上ある週があれば、週休2日制となります。

例えば休日は毎週土曜日、ただし第2週は日曜日と土曜日、こんなような会社があったとします。

そうすると、この7月の中でこの第2週だけ、1ヵ月の中で1週だけですけれども、週に2日の休日があると。

月の中で1週でも2日の休日がある週があれば、他の週は週に1日しか休日がなかったとしても、それが週休2日制なんです。

この週休2日制なんですけれども、こういうケースもあります。

毎週じゃなくても、製造業さんなんかに多いかと思うんですけれども、例えば第1第3土曜日は出勤して下さいと、そして第2第4土曜日は休みですよと、それ以外に日曜日は全部お休みですよと、これも週休2日制ですよね。

第2第4週には2日お休みがありますので、第1第3週に2日間の休日がなかったとしても、月の中で1週でも2日の休日がある週があればいいわけですから。

ただ実際には、皆さん回りを見渡すと完全週休2日制の会社が多いのではないでしょうか?

なぜ完全週休2日制の会社が多いのかと言いますと、実はこれは法定労働時間の制約があるからなんですね。

法定労働時間というのは1日8時間以内週40時間以内、これを法定労働時間と言うのですけれども、これは労働基準法でそういう風に決められているんです。

原則はということですし、特別な手続きを取れば、もちろん残業させられますが、1日8時間を超えて、また週に40時間を超えて働かせちゃだめですよと、そういうルールがあるので、所定労働時間を設計する上で、これを超えないように、1日8時間月に40時間枠内で所定労働時間設計しなければならない。ということで、1日の所定労働時間を8時間している会社がとても多いのです。

そこでもし、1日の所定労働時間が8時間だとすれば、5日間で40時間になってしまいます。

月曜日から1日8時間ずつ働くと、平日5日間で40時間に達してしまいますので、必然的に週休2日にならざるを得ないと、いうことになります。

ですから完全週休2日制の会社が多いのです。

では先ほどの週休2日制はどうなるのか、6日間働くことになるじゃないかと疑問を持たれるかと思いますが、これはいくつか方法あります。

1つは、変形労働時間制を用いることです。

変形労働時間制は簡単に言うと、週ごとに40時間に収まるかを見るのではなく、1ヵ月とか1年間とか長い時間で労働時間が平均して週40時間であれば、そういう風な労働時間を設計しても良いと、こういう制度なんですね。そういったケースであれば、週に6日間の労働あっても、他の所で休日がたくさん確保されていれば良いことになります。

例えば土曜日出勤の製造業さんは、この変形労働時間制を採用しているところがとても多いです。

それともう1つは、先ほど言った法定労働時間ですけれども、1日8時間以内と言いました

が、これは8時間より少なくてもいいわけなのです。

少なくてもいいという事は、例えば、1日の所定労働時間が6.5時間とします。

6・5時間で週に6日働いたとしたら、この週の労働時間は39時間ですよね。

という事は40時間の枠内に収まっていますので、何ら問題はないということになります。

休日に関しては労働基準法で週に1日は必ず確保してくださいという風に決まっているだけで、必ず週の休日を2日にしてくださいなんてルールはないわけですから、変形労働時間制を使ったり、この1日の所定労働時間を短くすることによって、6日間の労働日を設計することは可能になる、というわけなんです。

ただ、1日の所定労働時間が6.5時間で6日間労働、週のお休みは1日だと言うと、少し採用面で不利になる事が考えられるかもしれません。

世の中全般的に週休2日が当たり前の時代ですから。職探しする方も休日を見ますので。

理論的には可能であっても、1日の所定労働時間が6.5時間というのはなかなか少ないかもしれません。

いかがでしたでしょうか。

休日というのは労働条件の中でも非常に大切な項目の一つですよね。職探しするうえでも、従業員の皆さんも週の休日数、月の休日数、また年間の休日数何日なのと、これとても気になる大事なポイントだと思います。

この機会に整理しておいていただければと思います。

今回は、「完全週休2日制」と「週休2日制」はどう違うのかについてお話しました。

少しでも参考になれば幸いです。

執筆者
志賀 直樹

社会保険労務士法人ジオフィス代表

300社以上の労務管理をサポートしてきた経験を活かし、頻繁な法改正への対応や労働トラブル解決を中心に、中小企業に寄り添ったサービスを行う。

保有資格
・特定社会保険労務士
・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリア・コンサルティング技能士
・産業カウンセラー
・生産性賃金管理士
・日商簿記1級
・ラジオ体操指導員

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