育児休業を取得中、一定の条件を満たせば、雇用保険から育児休業給付が支給されます。では、育児休業中に転職や出向(転籍)をした場合、育児休業給付の取り扱いはどうなるのでしょうか?社労士が解説します。

こんにちは。社会保険労務士の志賀です。今回は「育児休業中に転職した場合、育児休業給付はどうなる?」についてお話をします。

育児休業中は条件を満たせば育児休業給付が受給できます。ここで言う育児休業給付というのは、育児休業給付金と出生時育児休業給付金のことです。この出生時育児休業給付金というのは別名「パパママ育休」と呼ばれるもので主に男性の方が取得するものですが、育児休業給付を受けるにはさまざまな条件があります。その中には回数制限があり、育児休業給付金も出生時育児休業給付金もそれぞれ2回までです。どちらも2回に分けて受けることができますが、3回目は受給できません。例えば男性の方が出生時育児休業給付金を2回受け取って、その後で育児休業を2回受け取るような場合には合計で4回まで給付金を受けられるということになります。

そして今回のタイトルである転職した場合に受給できるのかということですが、転職した場合でももちろん条件を満たせばこの育児休業給付は受けられます。その条件の中に回数制限があるので、転職した場合の回数のカウント方法についてどう考えたらいいのか、これを今回お話していきます。

【回数制限のカウント】

例①:A社に勤めていて退職しB社へ転職した場合

まず上の矢印から説明します。A社で育休を1回取得し、一旦復帰して2回目の育休を取得。完全に育児休業が終わりまた復帰している状態でB社に転職した場合にはB社で育児休業を取得しようとしても3回目としてカウントされてしまうため育児休業給付金受給の対象とはなりません。

次に下の矢印です。A社で育休を1回取得し、一旦復帰して2回目の育休を取得している間に転職した場合になりますが、転職した時点でリセットされてしまうためB社で育休を取得しようとしても3回目のカウントとなります。

例②:C社からD社へ出向した場合(転籍出向・一定の在籍出向のケース)

まず上の矢印から説明します。元々いたC社で1回目の育休を取得、復職して2回目を取得し、改めて復職したような場合には出向先で改めて育休を取得しようとしても3回目のカウントとなります。

次に下の矢印です。元々いたC社で1回目の育休を取得、復職して2回目の育休を取得している間にD社へ転籍出向し所属が変わった場合にはここは連続して取得したものと捉えられます。自分の意思で転職した場合にはリセットされてしまいますが、転籍出向や一定の在籍出向の場合には連続しての取得とカウントされますのでリセットされず育児休業給付金を受け取ることが可能です。

いかがでしたでしょうか。特に出向の場合の具体的な手続きについては最寄りのハローワークで確認等を行って間違いのないように手続きを進めてください。

今回は「育児休業中に転職した場合、育児休業給付はどうなる?」についてお話をしました。少しでも参考になれば幸いです。

執筆者
志賀 直樹

社会保険労務士法人ジオフィス代表

300社以上の労務管理をサポートしてきた経験を活かし、頻繁な法改正への対応や労働トラブル解決を中心に、中小企業に寄り添ったサービスを行う。

保有資格
・特定社会保険労務士
・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリア・コンサルティング技能士
・産業カウンセラー
・生産性賃金管理士
・日商簿記1級
・ラジオ体操指導員

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