こんにちは。社会保険労務士の志賀です。今回は「協会けんぽの保険料率が引き下げに!」についてお話をします。
全国健康保険協会(通称:協会けんぽ)の健康保険料率というのは毎年春先に変更になるのですが、令和8年度がどのようになるかということを解説していきます。協会けんぽの健康保険料率というのは都道府県によって違います。47都道府県に1つずつ支部があって、その支部ごとに保険料率も違います。全国平均健康保険料率は10%ですが、これが令和8年度は9.9%になります。つまり0.1%引き下げになるということです。この協会けんぽの全国平均の保険料率が引き下げになるというのは実に34年ぶりになります。ここ10年以上全国平均は10%で推移してきたのですが、今まで上がるか据え置きかで推移してきて全国平均が下がることは非常に珍しいことになります。いつから変わるかというと、令和8年3月分の保険料からです。
全国平均の話をしましたが、都道府県によって違うので各都道府県でどうなのかというところを見ていきますと、40都道府県で引き下げになります。残り7県(青森・秋田・山形・栃木・神奈川・島根・沖縄)は据え置きということになりました。本当は引き上げなければいけないところを特例措置で据え置きということにしたようです。いずれにしても47都道府県で上がったところは1県もないというわけです。
先ほども言ったように全国平均で見ると0.1%の引き下げで健康保険料下がるのかということで、喜ばれるかもしれないですが、実は健康保険料と一緒に徴収されるものがあります。まず介護保険料ですが、これは40歳から64歳の方が徴収されます。この料率は現在1.59%となっていますが、これが令和8年度に1.62%に引き上げになります。0.03%上がります。介護保険料率は全国一律でこちらも令和8年3月分の保険料から変更です。
そしてもう1つ今年から始まる子ども・子育て支援金です。料率は0.23%となっており、こちらも全国一律です。この支援金の徴収開始は令和8年4月分からの徴収となりますのでご注意ください。
冒頭で全国平均で34年ぶりに保険料率が下がったとお伝えしましたが、結局のところ介護保険料と子ども・子育て支援金を合わせるとどうなるのか試算をしてみました。

上図の通り健康保険料が下がることで嬉しい!となるはずが、トータルすると11.5%だったものが11.7%になるので0.2%増えていることがわかります。ですから保険料としてトータルで見てみると保険料は下がりません。例を挙げた東京都・50歳・月収50万の方で実際に計算してみると月で500円、年間で6000円の保険料アップとなります。
いかがでしたでしょうか。今回の試算はあくまで東京都の場合となりますので各都道府県によって保険料率が異なる部分については加入している支部の保険料率を確認してみてください。健康保険料が34年ぶりに下がったことで、それを取り上げるニュースが多く出ていますがトータルで考えると負担は多くなる試算なのでぜひ給与明細を確認してみてください。
今回は「協会けんぽの保険料率が引き下げに!」についてお話をしました。少しでも参考になれば幸いです。
執筆者

志賀 直樹
社会保険労務士法人ジオフィス代表
300社以上の労務管理をサポートしてきた経験を活かし、頻繁な法改正への対応や労働トラブル解決を中心に、中小企業に寄り添ったサービスを行う。
保有資格
・特定社会保険労務士
・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリア・コンサルティング技能士
・産業カウンセラー
・生産性賃金管理士
・日商簿記1級
・ラジオ体操指導員

