従業員が退職届を会社に提出するなどした場合、会社がその受け取りを拒否したりして、退職を認めないことはできるのでしょうか?社労士が解説します。

こんにちは。社会保険労務士の志賀です。今回は「会社は退職届の受理を拒否できるか?」についてお話をします。

タイトルに会社が退職届の受理を拒否できるかと記載しましたが、今回のお話は従業員が会社を辞めたいと言っている時に会社は辞めさせないことができるのかというお話になります。もちろん結論はお分かりかと思いますが、そんなことはできません。退職を認めないことは違法です。

民法の条文をご紹介します。

中身を解説していきますと、当事者とは雇用契約の当事者ということですので会社と従業員という意味です。この条文では雇用の期間を定めなかったときとありますので契約期間が定まっていないケースと考えられます。契約期間が定まっていないケースは一般的に正社員となりますので、正社員の場合についての条文になります。契約期間が決まっている場合についてはここでは触れずにいずれ別動画で解説したいと思います。そしていつでも解約の申入れをすることができるということですが、会社を辞めたいと伝えることです。その意思表示をした日から2週間を経過することで終了となるという条文となります。会社の承諾の有無は関係なく、とにかく解約(退職)の申入れをすればそこから2週間経過するだけで、その労働契約を終了するというのが民法に記載があります。

では、この解約の申入れをどういう風にするのかということですが、これは退職したいという意思表示がはっきり相手(会社側)に伝わりさえすればどんな方法でも構いません。方法の例としては、口頭・メール・LINE・退職届・配達証明付き内容証明郵便などです。ただ口頭だと言った言わないが起きたり、最後まで話を聞いてくれなかった等トラブルが起きやすい可能性が高いので形に残る方法をおすすめします。そして必ずどの方法でも何年何月何日に退職するかという日付を提示してください。退職したいと言い切ることが重要です。しかし、テレビドラマで見るような退職届を受け取ってくれなかったりする場合もあるかもしれません。そのような場合には配達証明付き内容証明郵便を使用する方法もあります。どのような方法にしても退職の意思を示したその日から2週間経過すると終了するというわけですから、後任がいないと言われたり引き継ぎが終わらないと言われたとしても、2週間経過すれば退職することができます。

退職する側も会社側も気になることがあると思いますが、代表例として2つ説明していきます。まず1つ目は賃金計算期間の前半に言わなくても問題ないということです。以前は月末締めの月給者の場合において、15日までに言わないと月末退職ができず翌月以降の退職日になるという規程が確かに民法にもありました。しかし民法改正によってこのような法律はなくなりましたので賃金計算期間などは気にせず退職することができます。そして2つ目に就業規則に「1か月前までに」と記載があっても問題ありません。民法では2週間前、就業規則では1か月前と記載がありどちらが優先されるのか気になる方もいらっしゃると思います。ここは意見が分かれるところではありますが、結論としては民法の方が優先されるという考えが多数派です。

いかがでしたでしょうか。民法の規程ではどのようになっているかをご説明しました。ブラック企業に勤めていて1日も早く退職したい人は別として、基本的には出来る限り会社には余裕を持って退職の意思を伝えて、なるべく円満退職していていただければと思います。

今回は「会社は退職届の受理を拒否できるのか?」もついてお話をしました。少しでも参考になれば幸いです。

執筆者
志賀 直樹

社会保険労務士法人ジオフィス代表

300社以上の労務管理をサポートしてきた経験を活かし、頻繁な法改正への対応や労働トラブル解決を中心に、中小企業に寄り添ったサービスを行う。

保有資格
・特定社会保険労務士
・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリア・コンサルティング技能士
・産業カウンセラー
・生産性賃金管理士
・日商簿記1級
・ラジオ体操指導員

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