2025年9月19日以降、準備が整った医療機関では「スマホ保険証」が利用できるようになりました。 「スマホ保険証」とは、一体どういうものなのでしょうか?マイナ保険証とは違うのでしょうか?社労士が分かりやすく説明します。

こんにちは。社会保険労務士の志賀です。今回は「スマホ保険証って一体なんなの?」についてお話をします。

マイナ保険証は聞いたことがあるかと思いますけれども、今度はスマホ保険証というのが出てきました。これはマイナ保険証の機能をスマートフォンに搭載したものです。マイナ保険証は既に別動画で説明していますが、健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカードのことです。この保険証利用をするとマイナンバーカード自体が健康保険として利用できるようになるものです。その機能をご自身のスマートフォンに搭載したものがスマホ保険証となります。

このスマホ保険証はスマホを受付でかざすだけで健康保険を利用して病院を受診できるようになります。これが今年の9/19以降に機械の準備ができた医療機関から順次利用ができるようになっているところです。ちなみに医療機関と言いましたが、この動画では薬局を含め歯医者などまとめて医療機関とお伝えしています。

スマホ保険証は医療機関側で機械が必要になります。マイナ保険証を使うときにカードリーダーにかざすと思いますが、それではスマホ保険証は利用できません。スマホ保険証に対応するためには、さらに別の機械が必要となるのです。

マイナ保険証の機能をそのまま自分のスマホに搭載するので、そもそもマイナ保険証を持っていなければいけません。資格確認書を利用して医療機関を受診している場合にはもちろんスマホ保険証も使えません。この動画をご覧いただいている皆さんはマイナ保険証を使用していますでしょうか。厚生労働省の発表によると2025年8月時点のマイナ保険証の利用率は34.32%だそうです。ですからまだ3分の1程度ほどの普及率です。その状況の中でマイナ保険証をスマホでも使えますよというのがスマホ保険証となりますが、今回どういうものなのかざっくり知っていただければと思います。

まずスマホ保険証のメリット・デメリットをご紹介します。

メリット マイナンバーカードを持ち歩く必要がない。紛失リスクが下がる

デメリット スマホの充電切れ・対応している医療機関が限定的・設定の手間

※スマホ保険証に対応している医療機関を調べるサイト、設定方法についてはYoutubeの概要欄にリンクを貼っています。

実際に私の事務所がある東京都立川市でスマホ保険証に対応している医療機関を検索してみたところ、42件対応していると結果が出ました。別のサイトで立川市の医療機関の総数を調べてみたところ168件でした。(サイトによって件数にばらつきがあるので厳密な件数についてはご容赦ください)

この数字を見る限りでは立川市の医療機関の25%、4分の1の医療機関のみスマホ保険証を利用できるということでまだまだ少ない状況にあります。私自身が通っている医療機関も入っていませんでした。実際には私もスマホ保険証を利用したことがありません。設定については私もやってみましたが、すごい簡単!というわけではありませんでした。機械が苦手な方によっては手間と思われるかもしれません。

そしてスマホ保険証にも注意点があります。

①設定できるスマホは1人1台

②15歳未満は使えない

③スマホを変えたら再設定(旧スマホでは削除も必要)

いかがでしたでしょうか。マイナ保険証の活用も十分にできていない状況で、スマホでも利用できると言われても正直なかなかついていけないという方も多いかと思います。しばらく様子を見て判断しても良いかもしれません。

今回は「スマホ保険証ってなんなの?」についてお話をしました。少しでも参考になれば幸いです。

執筆者
志賀 直樹

社会保険労務士法人ジオフィス代表

300社以上の労務管理をサポートしてきた経験を活かし、頻繁な法改正への対応や労働トラブル解決を中心に、中小企業に寄り添ったサービスを行う。

保有資格
・特定社会保険労務士
・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリア・コンサルティング技能士
・産業カウンセラー
・生産性賃金管理士
・日商簿記1級
・ラジオ体操指導員

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