公正な採用選考を行うためには、応募者の能力・適性と無関係の質問をしないことが大切です。このような質問をすることは就職差別につながります。具体的にどのような質問がNGなのか、社労士が解説します。

公正な採用選考の基本

こんにちは。社会保険労務士の志賀です。今回は「採用面接で聞いてはいけない11の質問」についてお話をします。

これから確認していく11項目は厚生労働省の公正な採用選考の基本というホームページ上の資料に準じています。概要欄にリンクを貼っておきますので必要な方は後で確認してみてください。

まず採用選考をする際に踏み外してはいけない2大原則があります。

1. 適正と能力で選考する

2. 特定の人を排除しない

これは当たり前の話ですが、ある仕事をやってもらうために採用をするわけなので、適正と能力で判断してください。関係のない事柄で判断しないということになります。また例えば●●出身者はダメなどといった特定したもので排除し選考を判断することはいけません。言い換えれば予断と偏見のフィルターをかけないということです。先入観や色眼鏡で見ないということが大事ということになります。

それでは本題の11項目について見ていきます。

本人に責任のないこと

①本籍・出身地

②家族のこと ←特にNG!

③住宅状況

④生活環境・家庭環境

本人の努力ではどうにも変えられないことを聞いて判断してはいけないということです。

思想信条にかかわること

⑤宗教

⑥支持政党

⑦人生観・生活信条

⑧尊敬する人物

⑨思想

⑩労働組合・学生運動

⑪購買新聞・雑誌・愛読書

これらは本来個人の自由で基本的人権に関わることですので、このような内容で差別をしてはいけないということになります。

なぜこの11項目がNGなのか、書面で提出させてもNGなのかということも疑問に思うかと思いますが、これももちろんダメです。アンケートとして記入して提出させることも同様にNGです。それから調査会社を利用して調査することもNGです。要は把握してはいけないということなので、どんな手段にせよ説明した11項目を知ろうとすることはいけません。

面接時にズバリ質問するのではなく、雑談的に聞くのは大丈夫だと思われるかもしれませんが、雑談の中でも一旦把握してしまえば冒頭で言った予断と偏見のフィルターがかかって結果的に選考に影響を及ぼす可能性がありますので雑談だとしても避けていただくべきかと思います。

採用選考時に11項目の内容を聞いてしまうとどのようなリスクがあるかということですが、まず職業安定法違反に問われる可能性があります。採用選考に関係のない個人情報を収集することは法違反として罪に問われるかもしれません。そしてネット上で悪い評判が拡散される可能性があるということです。例えば採用面接で不採用になった方が、よく考えたら聞いてはいけない内容を面接時に聞かれたといった内容でネット上に拡散される可能性があります。悪い噂が広まって会社の評判が落ちたり、採用活動に影響することも考えられますので、そのようなことにならないためにも11項目の質問は避けた方が良いです。

今回の動画を見てこんなことも聞いてはダメなのかと驚かれた方もいるかと思いますが、もしかすると今まで11項目の内容を採用面接の際に聞いていて、その解答が少なからず選考に影響していた可能性も否めないかと思います。この機会に採用面接時の質問内容を考え直してみてはいかがでしょうか。

今回は「採用面接で聞いてはいけない11の質問」についてお話をしました。少しでも参考になれば幸いです。

執筆者
志賀 直樹

社会保険労務士法人ジオフィス代表

300社以上の労務管理をサポートしてきた経験を活かし、頻繁な法改正への対応や労働トラブル解決を中心に、中小企業に寄り添ったサービスを行う。

保有資格
・特定社会保険労務士
・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリア・コンサルティング技能士
・産業カウンセラー
・生産性賃金管理士
・日商簿記1級
・ラジオ体操指導員

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