こんにちは。社会保険労務士の志賀です。今回は「退職代行を使わなくてもスパッと会社を辞められる方法」についてお話をします。
今回のお話は会社を辞める方法のご紹介なのですが、ここで言う会社というのは例えば連日長時間残業させておいて残業代を支払ってくれない会社や年次有給休暇を全く取得させてくれない会社等いわゆるブラック企業です。そのようなブラック企業からどのように逃げ出したら良いかというお話になります。そうすると皆さん頭に思い浮かぶのは今流行りの退職代行サービスだと思います。実際に利用している人もだいぶ増えてきています。ブラック企業を辞めるために退職代行サービスを使うというような発想をする方が最近多いですが、こちらのサービスを使わなくても違う方法でしっかり退職できる方法をお話していきます。
いわゆるブラック企業というのは慢性的な人手不足で従業員が退職届を提出しようとしても辞めさせてくれなかったり、受け取ってくれないということが起こり得ます。酷いパワハラ体質で上司や社長からパワハラを受けていて辞めるというのは怖くて言い出せず、そのような状況のため退職届を出せないという中でどのようにして会社を脱出できるのかという、言ってみれば、自分の身を守るためのやむを得ず行使するサバイバル的な方法だと思ってください。特にトラブル等ない場合には今回お話しする方法というのは使わない方が良いと思います。やはり通常の退職方法、その会社のルールに沿った適切な方法で手続きを行ってください。ただ先ほども言ったようにブラック企業で会社を辞めさせてくれないような場合において、どのようにして会社を脱出できるのかということが今回のお話です。実は直近3本の動画の中で今回のお話の結論に繋がるヒントを少しずつ出しています。ですから3本の動画を見てくださった方はもう今日の結論を自分で考えて分かっている方もいらっしゃるかと思います。

下記オレンジ色で記載したものが動画のタイトルになります。概要を整理していきます。
「退職願」と「退職届」はどう違う?
・退職届は労働契約を一方的に解約する「辞職」の意思表示
会社は退職届の受理を拒否できるか?
・雇用は解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。
・解約の申し入れは口頭、メール、LINE、退職届の手渡し、配達証明付き内容証明郵便等、どんな方法でも良い
3種類の退職代行サービス【非弁行為とは何か?
・民間の退職代行業者は伝言を伝えることしかできず、代理人として会社と交渉することは一切できない
この概要をまとめるとブラック企業から脱出する方法は「2週間以上先の日付を指定してその日で退職すること」と「有休残日数を全て消化すること」を書いて「配達証明付き内容証明郵便」で送るということです。配達証明付き内容証明郵便と聞くと難しそうに聞こえますが、特に難しいことはありません。2週間以上先の日付を指定とありますが、少し猶予があったほうが無難です。そして有休残日数を全て消化することに関してはもしかしたら争いになる可能性はあります。こちらが指定してもその通りにしない会社も出てくるかもしれませんのでご注意ください。この手順で対応すれば退職代行サービスを利用しなくても退職手続きを行うことが可能です。
もちろん退職代行サービスを利用しても構いませんが、まずお金がかかるということ、そして最もよく使われている民間の退職代行サービス業者の場合は交渉ごとができないので依頼者の伝言をすることしかできません。スムーズに退職できるとは限りません。会社がそれを拒否した際は民間の退職代行サービス業者の場合はそれ以上何も交渉することはできません。そして経営者さんのお話を聞くと、前職を退職代行サービスを使って退職した人は採用したくないという方が多いです。しかし一般的にはどのように退職したかどうかは分かりません。退職の方法としてはどちらでも構いませんが、どちらにせよ円満退職ではないことは事実です。どちらがマシかと聞かれたら、やはり自分で行っている配達証明付き内容証明郵便がいいかと思います。
実際に退職代行を使って従業員が辞めてしまった社長さんに話を聞いたことがありますが、がっかりすると言っていました。辞めるのは仕方ないにしてもなぜ直接言ってくれなかったのか、はじめましてのよく分からない業者に本人とは一切連絡を取らないでくれと言われて逃げるように辞めてしまい悲しいと言われる社長さんがいるので、やはり突然退職代行サービスから電話があって一方的に退職を告げられるのはショックのようです。円満退職ではないにしても、まだ自分で用意して自分で郵送している対応のほうがまだマシと思う社長も多いかと思います。
ただ退職代行サービスを使った方が良いかもしれない場合というものがあり、例えば酷いパワハラを受けて精神的に参ってしまっているケースです。正常な思考ができなくなってしまっている場合には退職の意思を伝えてくれるだけでも良いから民間の退職代行サービスに依頼するのも仕方ありません。しかし、そうではない場合には出来るだけご自身で配達証明付き内容証明郵便などを利用して退職の意思を伝えるほうが良いかと思います。
いかがでしたでしょうか。今日ご紹介した方法は緊急的・例外的な方法になります。冒頭にお話したように正しい会社のルールを守り、常識的な方法で手続きを進めて円満退職をしていただければと思います。
今回は「退職代行を使わなくてもスパッと会社を辞められる方法」についてお話をしました。少しでも参考になれば幸いです。
執筆者

志賀 直樹
社会保険労務士法人ジオフィス代表
300社以上の労務管理をサポートしてきた経験を活かし、頻繁な法改正への対応や労働トラブル解決を中心に、中小企業に寄り添ったサービスを行う。
保有資格
・特定社会保険労務士
・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリア・コンサルティング技能士
・産業カウンセラー
・生産性賃金管理士
・日商簿記1級
・ラジオ体操指導員


