こんにちは。社会保険労務士の志賀です。今回は「定期健康診断実施後に会社が必ずやるべき事」についてお話をします。
まず定期健康診断に関する基礎的な部分については既に別動画で解説済ですので必要な方はそちらをご覧ください。今回は定期健康診断を実施した後に会社はどのような対応をしなければならないのかこちらについてお話をします。
流れとしては下記のとおりです。


教科書通りにいくとB~Eの結果の場合には全部異常の所見だと考えますが、C~Eの場合は特に従業員に再検査を促す必要があります。この再検査や治療の費用を会社が負担する必要はありません。もし従業員が再検査を拒む場合に会社が罪に問われるわけではありませんが、従業員さんの健康のためですのできちんと経過を観察してください。
医師の意見を聞く必要があるルールについてですが、従業員の人数が少ない会社ではB~Eの結果が出たら全員の意見を聞けるかと思います。しかし従業員の人数が多い場合には衛生委員会などで協議いただいて例えばC~Eの結果が出た場合には医師の意見を聞くという流れにする等取り決めをしていただければと思います。そしてこの医師とは誰なのかということですが、従業員50人以上の場合には産業医、従業員50人未満の場合には地域産業保健センターに相談いただくのがベストです。地域産業保健センターとは小規模の事業所の従業員の健康管理を支援するための機関です。無料で相談可能ですので是非調べて活用してみてください。この地域産業保健センターは会社の管轄の労働基準監督署に電話して問い合わせていただければ紹介してもらえます。そして医師の意見を聞く際に健康診断の結果を持参するのは当たり前ですが、必要に応じて残業時間などの情報提供や面接機会の確保をしなければなりません。
医師の意見を聞いた後に必要な就業上の措置を講じる必要がありますが、例えば配置転換・時短勤務・残業や深夜業の削減などです。症状が深刻な場合には休業をさせなければいけないケースもありますので慎重に対応してください。
最後に従業員の健康診断が終わった後には健康診断個人表を作成して5年間保存する必要があります。さらに従業員が50人以上の会社においては健康診断結果報告書を管轄の労働基準監督署に提出する必要があります。
定期健康診断を実施しているかどうか会社さんに聞くと、ほとんどの会社でしっかり実施されていますが、その実施後に必要な措置に関しては疎かになっている会社さんも見受けられます。定期健康診断は今説明したフローを全て行って初めて完結しますので健康診断を実施後の対応も忘れずに行ってください。
今回は「定期健康診断実施後に会社が必ずやるべき事」についてお話をしました。少しでも参考になれば幸いです。
執筆者

志賀 直樹
社会保険労務士法人ジオフィス代表
300社以上の労務管理をサポートしてきた経験を活かし、頻繁な法改正への対応や労働トラブル解決を中心に、中小企業に寄り添ったサービスを行う。
保有資格
・特定社会保険労務士
・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリア・コンサルティング技能士
・産業カウンセラー
・生産性賃金管理士
・日商簿記1級
・ラジオ体操指導員


