育児休業の開始日を遅くする(繰り下げる)変更や、終了日を早める(繰り上げる)変更について、育児・介護休業法ではどのようなルールになっているのでしょうか?社労士が解説します。

こんにちは。社会保険労務士の志賀です。今回は「育児休業を早めに終了して職場復帰できるか?」についてお話をします。

育児休業は原則として1か月前までにその開始日と終了日を明らかにして会社に申請する必要があります。つまり育児休業期間というのは予め決まっているというわけです。ところがその育児休業を取っている間に保育園に入れた等の理由で育児休業を早めに切り上げて早めに職場復帰することができるのかということについてお話していきます。

【育児休業の取得可能期間(原則)】

そもそも育児休業がいつからいつの間に取得できるのか見ていきますが、原則としては上図の通りの期間で取得することが可能です。まず出生日を基準として女性は産休があるので産後8週間は産後休業を取得しているはずです。そして産後休業の終了日の翌日から子どもの1歳の誕生日の前日まで育児休業を取れることになっています。父親の場合、産後休業はないため、出生日から1歳の誕生日の前日まで育児休業が取得できるルールになっています。

今回のお話はタイトルの通り育児休業を早めに終了できるのかどうかという話に絞りますので、図を見た段階で知識のある方は色んなことが頭に浮かんだかもしれませんが、細かいことは省いてタイトルの観点に沿ってお話を進めていきます。

育児休業を取得する場合は会社に対して取得を開始する1か月前までにここからここまで育児休業を取得しますという申請を行います。そして何らかの理由で事前に申請していた育児休業開始日と終了日を変更したい場合に、繰り上げて開始日を早めることができるのかという部分ですが、これは可能です。1週間前までに申請をする必要があり、休業1回につき1回までとなります。育児休業は期間内に2回取得できますので、その1回につき開始日の繰り上げが1回できます。その繰り上げも特別な事情がある場合に限り認められます。例えば出産日が予定より早まったことや配偶者が病気になり養育不可となった場合等です。そして今度は終了日を遅らせる、繰り下げることについてですが、これも認められます。1か月前までに1回限りです。繰り下げる場合について理由は問いません。よって繰り上げも繰り下げも一定の条件はありますが認められています。

それに対して今回のタイトルでもある育児休業を早めに終了して復帰できるのかという期間短縮の場合ですが、開始日を予め申請していた日より遅らせたり終了日を早めたりすると、その分休業期間というのは短くなります。色々な事情があると思いますが、たまたま運良く保育園に入れたりして復帰できることになり早めに育児休業を終了して職場復帰したいということができるかどうかですが、これに関しては特別な法律の定めはありません。ということは従業員がこのような希望をしたとしても会社は必ず応じる義務はないということになります。

今回の結論としては従業員が育児休業を早めに終了して職場復帰したいと希望した場合、自動的に復帰することはできないということになります。法律に特別に定めがないため、してはいけないルールでもないですし会社が認めれば早期復帰も可能ということになります。ただし会社側も業務調整や代替要員として契約をした方とどうするかという問題等もありますので、希望したからといって当然に早期復帰できるとは限りませんのでご注意ください。

いかがでしたでしょうか。先ほど育児休業を早めに終了して早めに職場復帰することを会社は即時応じる義務はないと言いましたが、職場復帰できる環境が整ったから早期に復帰したいと考えるのは、健全な発想だと思いますし、喜ばしいことなのではないかと個人的には思います。会社側も色々な問題があるかもしれませんが、調整をしてぜひ早期復帰できたらと思います。

今回は「育児休業を早めに終了して職場復帰できるか?」についてお話をしました。少しでも参考になれば幸いです。

執筆者
志賀 直樹

社会保険労務士法人ジオフィス代表

300社以上の労務管理をサポートしてきた経験を活かし、頻繁な法改正への対応や労働トラブル解決を中心に、中小企業に寄り添ったサービスを行う。

保有資格
・特定社会保険労務士
・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリア・コンサルティング技能士
・産業カウンセラー
・生産性賃金管理士
・日商簿記1級
・ラジオ体操指導員

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